TOM MAX「アンビバレント」。
TOM MAX.
...という名前を聞いて、ピンと来ない人が居るかもしれない。
もしかしたら、僕らの世代では、TOM MAXを知らない人の方が多いのかも・・・。
TOM MAX・・・本名、真喜志 勉。
↑(画像:図録写真)真喜志さん!渋いです😆!
真喜志 勉さん(以後:真喜志さん)は、戦後沖縄の前衛美術界の旗手であり、沖縄の過去、現在、そして未来を独自の審美眼でとらえ、それをアートいうカタチで発信し続けた孤高のアーティストです。
真喜志さんは1941年に那覇市で生まれ、那覇高校を卒業後、多摩美術大学に進学。
美術大学を卒業後、復帰を前に1972年ニューヨークで当時の現代美術に触れます。以後アメリカ戦後美術の、特にポップアートに影響を受けた作品を制作しながら、生涯を通して沖縄の基地問題や社会的な批判を盛り込んだ作品に取り組まれ、直近のアートワークとしては、オスプレイ問題等にフォーカスを当てた作品を制作されました。
生粋のアーティスト、真喜志さん。
70年代後期〜80年代当時、全盛を迎えていた沖縄の美術・ギャラリー界において、真喜志さんは群れることなく、いつだって「個」としての活動を続けます。時には、激しく・・・または一流のウィットなユーモアを交えながら、どの「色」にも染まらない「TOM MAXワールド」を貫き通しました。
残念ながら、2015年2月に、真喜志さんは病気のためお亡くなりになりましたが、今でも真喜志さんのスタイル、なによりもそのアートに対する情熱は多くの人々に影響を与え続けています。
さて、来たる2月25日(土)の正午に沖縄 琉球放送で放送される沖縄BON!!にて、そんな真喜志さんの特集番組が放送されます。今回、僕はナビゲーターとして、この番組に参加させて頂きました。
現在、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館では、真喜志さんの回顧展「アンビバレント」が開催されています。
晩年の鬼気迫る「オスプレイ」から、70年〜80年代のポップな作品、大好きだったJAZZをモチーフにした作品。そして、代表作でもある「カウント・ダウン」等々。
見応えあり!!
「感覚」が刺激されっぱなしのエキシビションになっています!!
TOM MAXさんを知っている方も、知らなかった方も、ぜひ一度はご覧になって欲しい・・・というより、見なきゃ間違いなく損です!!
僕は今回の番組で、真喜志さんに関わりのある方へのインタビューをさせて頂きました。1974年から2001年まで真喜志さんが主宰した絵画教室「ペントハウス」の卒業生や奥様で染織家の真喜志民子さんや愛娘でD&DEPARTMENT 沖縄プロデューサーの真喜志奈美さん。そして、親交の深かった世界的ジャズピアニストの山下洋輔さん。・・・まさか、山下洋輔さんとお話する機会を頂けるなんて・・・!!(終始緊張しっ放しでした)
アンビバレント展の初日。
山下さんがチュニジアの夜をピアノで演奏してくれました♫
圧倒的な演奏に打ち震えました😆!
そして、そんな山下さんのピアノをよく間近で聴いていた真喜志さんのことを羨ましく思いました♫
先日、真喜志さんのご自宅兼アトリエ「MAX PLAN」にお邪魔させて頂きました。
木々が生い茂ったMAX PLAN.
生前と変わらない状態の真喜志さんのお部屋は、JAZZのレコードや、ポスター、
お気に入りのサングラスが整然と陳列され、壁には真喜志さんの絵画達がディスプレイされていました★
「KADENA」のスケッチ。そして、そこを飛び過ぎるように吊るされた飛行機のトイ。
真喜志さんが心を痛めた「9.11」のテロ事件。
時計はずっと9時11分のままです。
ニューヨーク時代、クラブ「ビレッジ・ゲート」で運命的な出会いを果たした伝説のJAZZドラマーアート・ブレーキーのサイン。
いつも散歩のお供だったラグビーボールやベースボールキャップ。
今にも、真喜志さんがヒョッコリ姿を現しそう・・・ 😃♫
クリエイティブなその空間は、真喜志さんの作品同様、身体中の感覚が引っ張られるような、なんというか不思議な感覚を味わせてくれます。
この場所で真喜志さんは、展示会の名称にもある「アンビバレント」な世界で葛藤し、心をすり減らしながらも、それに負けず逞しく筆を握りました。真喜志さんを知る人は皆口を揃えて、真喜志さんの豪快な振る舞いや言動について話します。
でも、その影にはきっと、孤高のアーティストとしての宿命や責任に頭を悩ませたこともあったのでは、と今回のインタビューを通じて、僕は感じました。
アメリカの音楽であるJAZZを愛し、ポップアートに親しみながらも、戦争や基地問題から見るアメリカに対して激怒し・・・このアメリカに対するアンビバレントな感覚を作品にぶつけてきた真喜志さん。
多くの作品を残した真喜志さんですが、そのなかで一貫して僕らに伝えたかったコトとは何だったのでしょうか。
無理強いするわけでもなく、誇張するわけでもなく、ただただ淡々と・・・
作品から伝わるそのパワーに圧倒されながら、「それで、君はどう思うんだい?」と真喜志さんから問いかけられているような気がしました。
沖縄の社会問題を洒脱なセンスでアートに落し込んだ真喜志さん・・・
番組では過去の作品紹介だけでなく、真喜志さんの表現者としての葛藤についても迫りました。 沖縄にお住まいの皆さんは2月25日(土)に放送される特集番組をぜひご覧下さい。TOM MAXという一人の芸術家が沖縄に居たということ、そして、彼が考える沖縄とは何か。きっと、心に刺さるモノがあるはずです。
今回、僕はナビゲーターとして貴重な機会を頂きました。
直接、僕は真喜志さんと話したことはありません。それがとても悔しくて残念で・・・。それでも、真喜志さんの作品を通じて、真喜志さんと対話させて頂いた気がします(勝手ながら)。
真喜志さん・・・TOM MAXの沖縄を想う熱いキモチを受け・・・
僕らも改めて、沖縄を、ジブンたちのこれからを考えなくては・・・!!
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📺「TOM MAX 真喜志 勉 特集」📺
●番組情報
放送日程:2017年2月25日(土)正午スタート
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「アンビバレント展」は4/16まで開催されています!!
テレビ番組と合わせて要チェック宜しくお願いします★
Written by ・・・・・・・・・☀︎
Plant&Soil Producer/Dan Shinjo.
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